ミラノ大聖堂聖歌隊は、大人20名と子ども35名で編成されている聖歌隊であり、ミラノで最も古い文化団体である。起源は、14世紀末の大聖堂建立が始まった時まで遡り、その音楽活動は、11世紀以前のポリフォニー音楽が出現する前のミラノ司教座大聖堂学校から始まっている。そして現在に至るまで、一度もその音楽活動は途切れた事がない。
何世紀にも亘る長い歴史を通し、数多くのすぐれた指揮者、オルガン奏者を輩出している。マッテオ・ダ・プラト、マッテオ・ダ・ペルジャ(両者とも1394年に任命されたオルガン奏者)、1402年に最初に任命された指揮者フランキーノ・ガッフーリオ(作曲家、音楽理論家、人文主義者、詩人としても優れていた)、
17世紀のミラノを代表する作曲家ミケランジェロ・グランチーニ、同時代のヴィンチェンツォ・ペレグリーニ、ジョヴァンニ・アントニオ・グロッシ、そして、18世紀の音楽を生んだジョヴァンニ・アントニオ・フィオリーニ、ジュセッペ・サルティ、カルロ・モンツァ、アゴスティーノ・クワーリャ、そして宗教音楽の危機の時期に伝統を守りながら優れた音楽を生み出したベネデット・ネーリ、ライモンド・ブケロン、サルヴァトーレ・ガロッティ、宗教音楽に新風を送り込み1998年まで聖歌隊の指揮者であったルチアーノ・ミリアヴァッカなどがそうだ。
ミラノ大聖堂聖歌隊は日頃から過密スケジュールで活動を精力的に行っており、毎週日曜日のミラノ大聖堂のミサ、数多くの公的文化行事、宗教行事に参加している。その実力、地位は高く評価され、それ以外に、イタリア国内各地での演奏活動や重要な国際音楽祭での演奏活動を行っている。
コンサートは、子どもが加わる場合もあるが大人のみの編成で行われることが多く、2017年の来日も大人のみ。